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172122体育館へ[air]
[背景:廊下]
[BGM:ほのぼのした日常]
[キャラクタCG:永二]
永二
「ちょっと、おいてくなよ〜」
永二が走ってくる。
捕まるのも面倒なので俺はばっとクラウチングスタートのポーズをする。
永二
「逃げる気まんまんじゃねえか!」
[キャラクタCG:ジョセ]
ジョセ
「そういえば、一矢はプランはないのですカ?」
一矢
「俺の予定?」
ジョセに話しかけられたので、俺はポーズを止める。
ジョセ
「いぇ〜す! ほうぁっと あー ゆー どーいんぐ ふぉー さまー ぶれいく?」
英語はあってるが全て棒読みだ。
とりあえず適当に返しておこう。
一矢
「昆虫取りだな」
ジョセ
「子供っぽいですネ、一矢って」
一矢
「いや、嘘だから」
ジョセ
「ジョークでしたカ。ではなにをするんですカ?」
一矢
「デート」
ジョセ
「……っ!」
[BGM:停止]
ジョセの周りが凍り付く。
直後ジョセがうつむいて悲しそうな顔をする。
[BGM:寂しげな]
ジョセ
「そ、そうですよ……ネ…………一矢も高3ですものネ…………」
いや、お前もな。
ジョセ
「彼女の1人や2人……3人はいますよネ」
お前の中では俺は3股もかけている存在なのか。
ジョセ
「みぃ、いますっごい迷惑ですネ……その女の方達に失礼ですヨ…………」
[キャラクタCG:永二]
永二
「いや、こいつにはそんなやついねえから」
永二がネタをばらしていた。
[キャラクタCG:ジョセ]
ジョセ
「え? …………あ……こ、これもジョ――クなのですカ?」
一矢
「あぁ、すまん イッツアジョーク」
[BGM:ほのぼのした日常]
ジョセ
「そ、そうですか。ジョークだったのですね、ジョーク…………」
一矢
「6人いる」
ジョセ
「うぇえぇぇえ!!!?」
[キャラクタCG:操]
矢代
「こいつは……ほんと人をからかうのが好きだな」
[キャラクタCG:永二]
永二
「からかわれるのは主に俺なんだけどね……」

[背景:暗転]

[キャラクタCG:翔]

「やぁ、そちたち」
一矢
「よぉ」
翔がBクラスの教室から出てきたところで合流する。
殖木 翔[ルビ:ふえき しょう]。
クラスは違うが、俺の男ダチだ。
身長も高く、硬派な男のようだが。
成績は赤点ギリギリ、どんな冗談を言っても真に受けてしまう。
そして、昔の人のような言葉を喋る。
あと、腰の刀は千歳飴である。

「ん? 佐古殿の顔が真っ赤だな」
一矢
「あぁ、さっきキスした」
ジョセ
「!?」

「ほぉ、もうそんな中だったのか、気づかなかったな」
[キャラクタCG:ジョセ]
ジョセ
「してないです! してないですヨまだ!!」
ジョセが精一杯手を振って否定する。
つうかそこまで否定されたらショックなんだが。
[キャラクタCG:翔]

「一矢殿とはしてないと、なら、永二殿か?」
[キャラクタCG:操]
矢代
「ないな」
一矢
「ありえん」
[キャラクタCG:ジョセ]
ジョセ
「ごめんなさいでス」
[キャラクタCG:永二]
永二
「あんたら鬼だね!!!! つうか、ジョセっちにはふられてるし!!!?」
おもちゃにされている哀れなやつだった。

[キャラクタCG:つくし]
古谷
「うるさいぞ君たち、廊下は静かに歩くものだ」
Cクラスの教室から古谷が出てきて、俺たちと合流する。
一矢
「そうだぞ、静かにしろよ永二」
[キャラクタCG:永二]
永二
「もとはといえばお前がだろ!!!!」
[キャラクタCG:七心]
七心
「まぁまぁ永二君、大声は出しちゃだめだよ?」
Cクラスから七心が出てきて、古谷の隣まで来る。
[キャラクタCG:永二]
永二
「くっそぉ、これじゃまるで俺が悪いみたいじゃんかよ」
一矢
「その通りだろ」
永二
「あんただよ!!!」
[キャラクタCG:つくし]
古谷
「ふむ、江波君は黙っていれば良い奴なんだがな」
古谷
「顔も悪くないし、成績も良いじゃないか」
[キャラクタCG:永二]
永二
「学年1位の人に言われてもね……」
一矢
「お前は左脳しかないからな」
永二
「右脳もあるよちゃんと!!!」
[キャラクタCG:つくし]
古谷 つくし[ルビ:ふるや]この学校で一番頭の良い生徒といわれている。
いわれているというか、こいつが学年2位以下になったというのは聞いたことがない。
将来はどこかの研究員になりたいらしい。
[キャラクタCG:七心]
七心
「とりあえず、体育館へいこ?」
と、七心が体育館の方へ振り返る。
[SE:ぶつかる音]
振り返ったところで七心が後ろのなにかにぶつかった。
七心
「あぅ……つつつ……」
七心
「ごめんなさい!! ちゃんと前向いてなくて当たっちゃいました! 本当にごめんなさい!!」
七心が精一杯頭を下げて謝る。
一矢
「ちなみに謝ってるの、柱だからな」
七心
「え、あ……」
七心は顔を赤らめる。
一矢
「いくぞ……」
[キャラクタCG:つくし]
古谷
「七心君はいつ見ていてもおもしろいな」
[キャラクタCG:七心]
七心
「え、えへへ……」
それ、褒められてないからな。

[背景:体育館への渡り廊下]
体育館の前までやってくる。
すると、体育館の入り口の前で知っている後ろ頭を見つける。
そいつもこっちへ気づき、体育館へ入るのをやめて、こっちに近づく。

[キャラクタCG:祈]
春風
「やーやーやー先輩方! いつもどおり仲が良いねぇ!」
ツインテールを揺らしながら俺たちの所にやってくる。
春風 祈[ルビ:はるかぜ いのり]。俺たちより学年が一つ下で、自由気ままなお転婆娘だ。
[キャラクタCG:操]
矢代
「お前ももうその輪の中に入っているけどな」
[キャラクタCG:祈]
春風
「いやあ、でもボクは学年が違うからあまり会うことは少ないんだよねぇ」
一矢
「いつも遊びに来てるだろ」
春風
「そりゃあここが楽しいから」
[キャラクタCG:つくし]
古谷
「ふむ、そうだな、ここは楽しい」
[キャラクタCG:七心]
七心
「楽しいです」
[キャラクタCG:翔]

「そうだな、このグループはいい所だ……」
楽しいか……そうだな、心地良い…………。
[キャラクタCG:ジョセ]
ジョセ
「ほとんど一矢が永二をいじめてみんなで笑ってるんですけどネ」
[キャラクタCG:永二]
永二
「俺に遠慮ってものはないのか!!!」
一矢
「逆にいるのか? 遠慮」
永二
「いるよ!!!」
一矢
「なんだよ、せっかく居場所のない永二にすばらしい場所を提供してやってるんだろ?」
一矢
「つまり、永二は俺に感謝するべきなんじゃないか? ほら、感謝しろ」
永二
「人をそんな風に決めつけないでください!!!!」
[キャラクタCG:祈]
春風
「あははは! こんな雰囲気が僕は好きなんだっ」
春風
「だから足が勝手にここに来ちゃうんだよ」
一矢
「すごいなお前の足は、脳の命令を受け付けずに自動で動くのか」
[キャラクタCG:翔]

「すごいな、春風殿の足は! 自分の意に反して動くのか!」
[キャラクタCG:祈]
春風
「いやいや、いっちー先輩、しょうっち。たとえですから、たとえ」
[キャラクタCG:翔]

「なんだ……そういうことであったか」
[キャラクタCG:祈]
春風
「ボク、おもしろいこと言おうとしてないからね?」
小早川
「おい、そこ! 終業式が始まるからはやく入れ!!」
うわっと、生徒指導の小早川が叫んでいやがる。
春風
「じゃあね! 先に行くよ〜」
といって春風がそそくさと体育館の中へはいる。
俺たちも体育館に入る。
そしてそれぞれのクラスの場所へ別れ、自分たちの席に座る。